講座集 / 信頼性と試験の統計
VOL.05
信頼性と試験の統計
管理図、寿命プロット、加速試験。数字の変化が工程から来たのか、集計から来たのかを切り分ける。
- 回
- 31
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- 13.3 h
- 出典
- 203
- 対象
- 信頼性・品質・試験に関わる人。正規分布とワイブル分布の初歩があれば読める。
- 読み終えたときにできること
- 信頼性データを前にして、結論が工程から来ているのか集計の仕方から来ているのかを分けて言える状態にする。
全 31 回
- 標準 15
- 応用 16
- 01 管理図の見逃し:WECO ルールが取りこぼす変化と運用の落とし穴 管理図の定番の判定ルールは、上下しながらじわじわ上がっていく変化を見逃します。点どうしの前後関係を数える判定ならこの形を拾え、誤警報率も順列から計算できます。チャンバの混在や異常点の削除など、運用で判定を狂わせる落とし穴も取り上げます。 17 分
- 02 SRAM の寿命指標:読み出し 3.19 万年、SNM 21.6 年と 3 桁離れる SRAM の寿命を、読み出せるかどうかやデータを保てるかどうかで判定すると、製品には十分な余裕があるように見えます。ところがノイズマージンで見ると余裕は 4.3 倍しかなく、読み出し時の分圧と NBTI の時間依存がこの差を 3 桁に広げています。 29 分
- 03 EM 試験の実験計画:寿命だけを最適化すると初期故障が埋もれる エレクトロマイグレーション試験の条件を寿命の下端だけで最適化すると、わずか 4 件の初期故障で回帰の誤差が 120% に膨らみます。初期故障を分けて真性寿命を求め、初期故障の割合を 2 つ目の目的に加えて最適化します。 26 分
- 04 サンプル数の数え方:1 個のチップを 1,024 セクタとして数える条件 不揮発メモリの耐久試験では、1 個のチップを 1,024 個のセクタとして数えれば、同じシリコンから桁違いの統計が取れます。ただし分かるのはセクタの故障率で、チップに直すと約 1000 倍になるので、取り違えると楽観側に外れます。 22 分
- 05 面積スケーリングの前提:Poisson の仮定が崩れると指数が 2 割ずれる 小さな TEG の故障率を製品の面積へ換算する式は、欠陥がばらばらに独立して起きることを前提にしています。面積を 100 倍まで変えて測ると実測はこの前提から外れるので、欠陥の固まりを取り込んだ負の二項分布で換算し直します。 30 分
- 06 界面剥離の評価:4 点曲げでは亀裂長さを測らずに済む 界面の剥がれにくさを測る 4 点曲げ試験は、荷重の平らな部分を読むだけで、亀裂の長さを測らずにエネルギー解放率が出ます。実験室で測った値を実機へ持ち込める条件と、亀裂先端の特異性を解かずに同じ量を出す VCCT の中身を扱います。 24 分
- 07 加速係数の較正:シミュレーションと実験で指数が 3 倍ずれる 同じ加速係数の式でも、シミュレーションで較正するか実験で較正するかで、ランプ速度と保持時間の指数は約 3 倍違ってきます。この差が市場での寿命見積もりをどれだけ動かすかは使われ方のプロファイルしだいで、4% で済むことも 2 倍になることもあります。 32 分
- 08 BTI 寿命の外挿:時間指数 10% の誤差が寿命 2.9 倍の誤差になる BTI のしきい値シフトを短時間の測定から何年も先へ外挿するとき、時間指数の小さな誤差が寿命を大きく狂わせます。係数が印加条件や速いトラップの扱いで変わることと、活性化エネルギーが負になった実測を踏まえ、外挿の前に確かめる 4 点をまとめます。 25 分
- 09 逐次検定と過去データ:同じ誤り確率を 104 個から 43〜71 個で通す 決着がつくまで 1 個ずつ試験を続ける逐次検定は、同じ誤り確率の判定を 4〜7 割の標本数で済ませられます。ただしよく使われる平均標本数の近似式には反例があり、標本をさらに減らしたいときは、過去のデータに重みを付けて借りる方法があります。 24 分
- 10 抜取りの削減と検出の遅れ:管理限界 ±4σ で誤報は 43 分の 1、検出は 17 倍遅い 抜取りを減らしたり管理限界を広げたりすると誤報は減りますが、その分だけ異常に気づくのが遅れます。この交換比を 3 つの指標で書き出す手順と、小さなずれに向く管理図、品種が混ざるラインでの扱いをまとめます。 22 分
- 11 材料選定の採点表:合計点では拒否権を持つ項目が埋もれる アンダーフィルの充填材を増やすと、熱膨張は少ししか下がらないのに粘度は何倍にも上がり、隙間を流れなくなります。こうした項目を他と同じ重みで足す採点表では流れない材料が上位に来るので、合計する前に拒否権を持つ項目を分けておきます。 22 分
- 12 ストレスボイドの最悪温度:最高温度より下にある山の頂上 ストレスボイドを進める応力は温度が低いほど大きく、原子の動きやすさは温度が高いほど大きいので、壊れやすさは途中の温度で最大になります。そのため最高温度だけで試験すると危険側に外れ、実測の頂上は式の予想よりさらに低温側に出ます。 22 分
- 13 ゼロ故障の標本数:1 ppm で 230 万個、1 ppb で 23 億個 ppm や ppb の不良率を故障ゼロの試験で示そうとすると、標本数が現実的でなくなります。加速で割っても認定ロットでは足りないので、低い不良率は出荷後のデータで示すことになります。バーンイン時間の決め方と、代理の指標で選別するときの捕捉率の上限も扱います。 24 分
- 14 落下試験と熱サイクル:1500 G・0.5 ms の落下高さは反発係数で 4 倍ぶれる 落下試験と熱サイクル試験は、はんだ接合にかかる歪みの速さが 360 万倍も違うので、壊れる場所も、寿命を延ばす設計の向きも逆になります。規格の衝撃波形から落下高さを出すとき、反発係数の仮定で結果が大きくぶれる点にも触れます。 23 分
- 15 超音波探傷のボイド判別:小さいボイドは充填材の濃淡と同じ明るさになる 超音波探傷の画像でボイドは強く光るはずですが、音のスポットより小さいボイドは周りと平均されて薄まり、充填材の濃淡と見分けがつかなくなります。振幅では区別できない 2 つも、反射の位相を見れば分けられます。 23 分
- 16 MTTF が同じ 2 群の比較:勝率 44.9% と、形状 3.44 での符号の反転 平均寿命が同じでも、故障の散らばり方が違う 2 つの部品には、どちらが長持ちするかで勝ち負けがつきます。その勝率を生存曲線の差から求め、臨床試験で使う指標と同じ形になることと、形状パラメータが 3.44 を超えると符号が反転することを確かめます。 26 分
- 17 熱膨張差と接合寿命:変位 0.61 倍に対してひずみは 0.50 倍 熱膨張差を小さくすると、接合の変位は比例して減りますが、寿命を決める非弾性ひずみはそれ以上に減ります。そのため寿命は熱膨張差の 2.43 乗で効き、差を半分にすると 5.4 倍延びます。同じ式を Cu-Cu 接合へ当てるとせん断 118% という値が出て、式の適用範囲を超えていることが分かります。 24 分
- 18 応力緩和層:荷重経路の中にあって変位の 67.5% を肩代わりする パッケージを 5×5 mm から 9×14 mm へ大きくすると、はんだ接合の寿命は 4 分の 1 以下に縮みます。これを軟らかい層で取り戻すには、はんだの受け持つ変位を 3 分の 1 まで減らす必要があり、層が効くのは荷重の通り道に入っているときだけです。 23 分
- 19 劣化で書き込みが楽になる理由:遅延増は 1.2 V で 7.7%、0.8 V で 20% トランジスタが劣化したのに、メモリの書き込みがかえって楽になることがあります。長い経路ほど遅れてワード線の開いている時間が延び、その伸びが駆動力の低下を上回るためで、電源電圧が低いほどこの補償が強く効きます。 22 分
- 20 フラッシュのしきい値の刻み:電子 1 個で 62 µV フローティングゲートのしきい値が電子 1 個ぶんの電荷でどれだけ動くかは、制御ゲートとの容量だけで決まります。書き込みの効率を上げると監視の刻みが粗くなる関係は固定されていて、両方を良くするには寄生容量を削るしかありません。 22 分
- 21 試験装置の稼働率:95% では時間短縮が増設の 21 倍効く 稼働率が高い試験装置では、台数を増やすより 1 本あたりの試験時間を縮めるほうがずっと効きます。その差は稼働率が 1 に近づくほど開きますが、載る本数を 1 割増やすだけでも試験時間を半分にする必要があります。 30 分
- 22 試験の短縮と測定遅延:1 週間を 100 秒にすると遅延の上限は 0.83 ms 劣化がべき乗則に従うなら、1 週間の信頼性試験を 100 秒の判定に置き換えられます。ただし縮めた比率はそのまま、ストレスを止めてから測るまでの遅延にも掛かり、従来の 30 ms の測定では 36 倍遅すぎます。 28 分
- 23 等価ブロックの CTE:厚み加重 43.22 と剛性加重 17.43 で 2.48 倍 積層材を 1 つのブロックに置き換えるとき、熱膨張係数を厚みで平均するか剛性で平均するかで、答えが 2.5 倍も違うことがあります。公開された等価ブロックを検算すると、体積の割合と剛性の割合がどれだけ食い違うかで、ずれの大きさを前もって見分けられます。 30 分
- 24 ブリッジ接合のせん断:熱膨張差ゼロの接合が 1.34 倍きつい シリコン同士をつなぐブリッジの接合は、熱膨張差がないのに、基板側の接合より大きなせん断を受けます。距離と高さの比で比べると背の低さが距離の短さを打ち消していることが分かり、どこまで高くすれば釣り合うかも求まります。 29 分
- 25 深さプロファイルの比較指標:検出限界を 2 桁動かすと値が 2.5 倍動く 2 本の深さプロファイルを比の積分で比べる指標は、サンプリング間隔にも装置の感度の誤差にも左右されません。ところが裾で比が発散するため、値を決めているのは検出限界の床のほうで、床を動かすだけでウェーハを 1 枚も替えずに値が 2 倍以上変わります。 30 分
- 26 等価 CTE の誤差:厚み加重と剛性加重の差は共分散そのもの 等価な熱膨張係数を厚みで平均した値と剛性で平均した値の差は、層ごとの剛性と膨張の共分散にちょうど一致します。「支配的な層があるか」で判断すると見落とすことがあり、重みの取り方ひとつで比較の結論が逆転し、損傷の見積もりも 2 倍以上動きます。 28 分
- 27 回帰手法の選び方:保証されるのは精度より凸性 回帰の手法を精度の数字で比べても、どれも似た値になって決め手がありません。選ぶ根拠になるのは、初期値によらず同じ解に着く凸性や、何を最小化しているかの違いです。入力を減らして得た改善のうち、本数を減らしただけで出る分も切り分けます。 29 分
- 28 構成則の係数抽出:前指数因子への感度は指数 n そのもの 同じ合金、同じ実験データ、同じ構成則から抽出した係数が、報告によって数十倍も食い違うことがあります。当てはまりはほとんど変わらないので、データが係数を決めきれていないのが原因で、同定不能性・多重共線性・過学習を分けて診断します。 28 分
- 29 再帰型ネットワークの重み共有:模型が小さくなるのは h < p − 1 のとき 時間の順序がないデータの回帰に再帰型ネットワークを使った報告を、パラメータ数から検算します。重みを共有しても模型が小さくなるのは隠れ状態が入力の本数より狭いときだけで、報告の設定ではむしろ 3.78 倍に膨らんでいます。 27 分
- 30 認定期間の資本コスト:150 億ドルの工場で 1 四半期 3.62 億ドル 先端工場では、生産を始めてからの信頼性認定が 1 四半期延びるだけで、設備の資本コストが数億ドル積み上がります。認定を急ぐための大きな試験構造は面積のせいで頻繁には回せないので、認定用と量産監視用で 2 種類の試験構造を持つことになります。 27 分
- 31 安全動作領域の検証:非凸なら総当たりで 65〜130 点 安全動作領域が凸でないと、安全な 2 点のあいだも安全とは言えず、条件を総当たりで試すしかなくなります。公開された試験計画の点数と試料数を再現し、線源の治具をわずかにずらすだけで報告する FIT が 4% 以上ずれることも確かめます。 28 分