講座集 / 先端パッケージングの寸法
VOL.04
先端パッケージングの寸法
インターポーザ、RDL、バンプ、接合。微細化の限界を決めている寸法を、製法と測定値から追う。
- 回
- 42
- 通して読む目安
- 16.7 h
- 出典
- 291
- 対象
- 後工程・実装に関わる人。めっきとリソグラフィの初歩があれば読める。
- 読み終えたときにできること
- パッケージの寸法仕様を見たとき、それが前工程の装置を要求する側かどうかを、製法から見分けられる状態にする。
全 42 回
- 基礎 3
- 標準 14
- 応用 25
- 01 インターポーザとRDL:2 µm が工場の境目 RDL の線幅を 2 µm より細くすると、ポリマーとめっきで作るパッケージ工程の作り方では間に合わず、前工程の装置で作ることになります。線幅の下限を決める仕組みと、バンプの種類の違いも整理します。 20 分
- 02 ハイブリッドボンディングの絶縁膜:未結合手が多い PVD SiCN のほうが接合は弱い 接合面の反応しやすさは未結合手の数で決まりそうに見えますが、実際に接合を進めるのは表面の OH 基で、その元になる水素を含む PECVD 膜のほうが強く付きます。接合後の界面には薄い酸化膜が挟まるので、界面の分析値を SiCN の性質として読むと外れます。 18 分
- 03 五面モールドの 2 つの工程順:選別の費用と捨てる RDL の比較 五面モールドのパッケージは、良品ダイだけを並べ直してから作る方法と、ウェーハのまま作って最後に切る方法で、ほぼ同じものができます。どちらが安いかは、良品の選別にかける費用と、不良チップにも作ってしまう RDL の費用の比べ合いで決まり、チップ数が増えるとこの比べ合いの形が変わります。 25 分
- 04 ハイブリッドボンディングの銅の膨れ出し:同じ拡散が接合と不良を作る 加熱で膨れ出す銅は、足りなければ接合せず、多すぎれば側壁にボイドを作ります。膨れ出しを動かしているのはクリープではなく表面拡散なので、押し付ける力では調整できず、使えるつまみは温度と時間とパッドの形です。 21 分
- 05 はんだの寿命式の選び方:精度より入力を検証できるか はんだの寿命式は、精度の高さより、入力する値を実際に確かめられるかで選ばれています。有限要素解析から計算できるエネルギー型の式が広く使われるのはそのためですが、その係数は解析のメッシュ条件と組になっていて、ほかの解析へそのまま持ち出せません。 22 分
- 06 積層の熱抵抗:接合層の絶縁膜 1 層で 3 分の 1 になる チップを積んだときの熱の逃げやすさは、接着剤より接合層の設計で決まります。同じ置き換えでも改善幅が報告によって 37% と 20% に分かれる理由を熱の経路の内訳から逆算し、帯域密度を落とさずに熱も改善できることを確かめます。 19 分
- 07 ステンシル印刷の実験計画:寄与率 58% の形状は開口面積の別名 ステンシル印刷の実験で寄与率の大きかった開口の形とアスペクト比は、どちらも開口面積を言い換えたものでした。寄与率の内訳は印刷する前に計算で出せること、そして寄与率が材料の性質ではなく、実験者が振った水準の幅で決まることを確かめます。 18 分
- 08 ハイブリッドボンディングの CMP:許される銅の凹みは数 nm ハイブリッドボンディングの銅パッドは、絶縁膜よりわずかに低く、しかも加熱で伸びる量より浅く磨き上げる必要があります。研磨パッドの温度を管理するかどうかだけで凹みが 10 nm 以上動くので、この狭い窓に収めるには温度の管理が欠かせません。 22 分
- 09 ハイブリッドボンディングのピッチ:接合の周りにある 3 つの制約 ハイブリッドボンディングのピッチを詰めるのを止めているのは、接合そのものより、載せる精度、削る精度、電源の引き込み先の 3 つです。ウェーハの反りのわずかな差がウェーハ全面では 150 nm のずれになり、300 nm ピッチでは重なりがなくなる一方、ダイ 1 個の範囲なら数 nm で済みます。 26 分
- 10 はんだの構成則:室温でも自重で伸びるのでクリープは省けない はんだは熱サイクル試験のいちばん低い温度でもクリープが効く領域にあり、室温で吊るしただけの線が 1 時間で目に見えて伸びます。クリープを省いた解析は寿命を長めに見積もってしまうので、代表的な 3 つの構成則がそれぞれどこまで使えるかを比べます。 30 分
- 11 WLCSP のクリープ:反りの減少ははんだの降伏を示している 熱サイクルの途中で組立体の反りが小さくなっても、良くなったわけではありません。はんだが降伏してチップと基板を拘束しなくなったためで、同じ間に隅のはんだのクリープひずみは倍になっています。解析に最低 3 サイクル要る理由と、損傷量の選び方で材料の順位が入れ替わることも扱います。 27 分
- 12 六面モールド PLCSP:スタンドオフ 3 割減で寿命 2.8 倍 はんだボールの背を低くすると、式の上では接合寿命は縮むはずですが、六面モールドでは逆に延びました。樹脂がボールの根元を包んで、はんだだけが変位を受け持つという前提が変わったためで、壊れる場所もチップ側から基板側へ移っています。 25 分
- 13 ハイブリッドボンディングのボイド:5 つの発生源と、界面の外まで伸びる剥離 ハイブリッドボンディングのボイドには 5 つの発生源があり、そのうちガルバニック腐食は研磨の工程そのものが作っています。パッド縁の落ち込みを加熱で埋めるのに要る温度は深さに比例して上がるので、落ち込みを 1 nm 以下に抑えれば低温で済みます。 34 分
- 14 ハイブリッドボンディングの接合強度:同じ界面で 2.33〜2.66 J/m² 接合強度の測定値は、曲げの速さや試料の幅を変えるだけで、材料や工程を変えたときと同じくらい動きます。他社の値と比べるには測定条件をそろえる必要があり、特に試料の厚さは 3 乗で効くので、わずかな取り違えが大きな差になります。 22 分
- 15 ハイブリッドボンディング:形を選んだ時点で、届くピッチも決まる ウェーハ同士で貼るか、チップをウェーハに貼るか、並べ直したウェーハで貼るかは、ダイの大きさがそろうかと、良品ダイの選別が要るかの 2 つで決まります。その選択で届くピッチもほぼ決まり、チップを貼る方式で 300 nm を実証した公開例はまだありません。 27 分
- 16 プラズマ活性化とアニール:接合面積の増減はガス種と加圧の組み合わせで逆転する プラズマで表面を活性化してからアニールすると、ガスの種類によって接合面積が増えたり減ったりし、加圧の有無でその組み合わせまで入れ替わります。面積が減るのは反応で出た水が逃げ場を失って界面を押し広げるためで、表面自由エネルギーの測定ではこの違いが見えません。 22 分
- 17 光をスイッチの隣まで持ってくる:CPOの4段階 光トランシーバをスイッチ ASIC へ近づける 4 段階のうち、大きな変化は 1 か所だけで、そこで高速信号がプリント基板を通らなくなります。段階が進むごとに、ASIC 側の SerDes も作り直しになります。 16 分
- 18 埋め込みブリッジ:3 つの方式と、熱膨張差ゼロでも角から壊れる理由 チップ同士をつなぐ小さなシリコンのブリッジは、置き場所によって 3 つの方式に分かれます。ブリッジとチップは同じシリコンで熱膨張差がないのに、下の有機基板のひずみが幾何的に増幅されるので、隙間を樹脂で埋めないと角の接合から壊れます。 28 分
- 19 2D・2.1D・2.3D・2.5D・3D・3.3D・3.5D は何が別なのか 2D から 3.5D まで 7 つある実装の呼び名は、数字が大きいほど高度という順番ではありません。分けているのは SoC と HBM をつなぐ配線をどこに敷くかで、2026 年時点の姿で 7 つを並べ直します。 21 分
- 20 実装の分類の第 2 軸:貼る順番と、丸いウェーハの端の捨て代 実装の呼び名を並べた一覧には、あいだに何を挟むかのほかに、どの順番で貼るかというもう 1 本の軸があります。丸いウェーハから四角いダイを取ると端が無駄になり、その取り代が 1 mm 変わるだけで取れる個数が 24% 落ちることから、パネルで作る利点も考えます。 24 分
- 21 接合温度の上限:決めているのは一時接合材の耐熱 薄くしたウェーハをキャリアに留めている一時接合材が耐えられる温度までしか、接合のアニールはできません。無機の接合に替えれば上限は 580 °C まで上がりますが、銅の側には逆向きの下限があり、工程はその 2 つのあいだで動きます。 23 分
- 22 接合界面の診断:チェーンの導通が保証するのは金属側だけ ハイブリッドボンディングでは絶縁膜と金属が同じ面で同時に接合するので、デイジーチェーンがつながっても、分かるのは金属側が付いたことだけです。パッド径、周りの模様、ウェーハの厚み、重ね合わせの残差の 4 つを、症状ごとにどの測定で確かめるかを整理します。 24 分
- 23 接合不良の地図:研磨由来は同心円、位置合わせ由来はダイの角 接合不良がウェーハやダイのどこに出るかを地図にすると、原因がかなり絞れます。研磨の不均一は同心円状に、位置合わせの残差はダイの角に出るので、その形から原因を切り分ける手順と、回転のずれに許される上限を求めます。 22 分
- 24 まとめて貼る接合:速さの上限と自己整列の歩留まり ダイを 1 個ずつ据えて焼く方式は、ダイの数だけ時間がかかります。まとめて仮止めしてから 1 回で焼く方式や、液体の表面張力で位置をそろえる方式は速くなりますが、1 個ごとの精度が少し足りないだけで、全部がそろう確率は極端に下がります。3 つの方式を同じ表で比べます。 22 分
- 25 基板コアの最適 CTE:シリコンと基板のてこ比で決まる パッケージ基板のコアは、上のシリコンと下の基板の両方から熱膨張で引っ張られます。最適な熱膨張係数は、それぞれの腕の長さで重み付けした平均になり、シリコンよりずっと基板の側に寄ります。ガラスのコアなら膨張係数を設計で選べますが、その代わりに払うものもあります。 22 分
- 26 パネルレベル実装:600×700 mm のラインを埋めるには年 1.75 億個 大きなパネルは 1 枚あたりの取り数が多い反面、ラインを埋めるにはそれだけ大量の注文が要ります。反りは 6 つの材料定数のうち 2 つでほぼ決まり、その 2 つを詰めれば 10 分の 1 以下に減らせます。 23 分
- 27 はんだ接合の液相時間:金属間化合物の厚みを決める量 はんだが溶けているあいだ、接合の高さは表面張力が決める値に戻るので、押し込んだ量は荷重をかけたまま冷やさない限り残りません。先に測るべきは溶けていた時間で、これが 25 倍違うと金属間化合物の厚みは 5 倍違います。 22 分
- 28 バンプの形と寿命:1 K の冷却は電流密度 2.9% に相当する バンプの体積を増やして砂時計型から樽型にすると、電流の集中は強まる一方で温度は下がり、2 つが逆向きに効くので寿命には最適な形があります。銅ピラーではめっきの条件がそのまま形になるので、形のばらつきを検査で押さえる必要があります。 22 分
- 29 チップレット間の帯域密度:1 Tb/s/mm ではレーン速度とピッチが同じ数になる チップレットの端 1 mm から出せる帯域はレーン速度をバンプピッチで割った値なので、ピッチを詰めれば、1 本あたりの速度を下げて同じ帯域を出せます。速度を下げるとビットあたりのエネルギーも下がり、予備のレーンを数本足すだけで界面の不良率も大きく下げられます。 23 分
- 30 配線層数とバンプピッチ:14 層なら線幅 12.7 µm で頭打ち バンプの隙間を通せる配線の本数と層数で、配列の外まで引き出せる列数が決まります。全部の列を引き出せた時点で、それ以上層を増やしても線を細くしても効かなくなり、細い線の限界は露光より先にレジストの倒れで来ます。 23 分
- 31 RDL 先行の利得:基板試験の網羅率に等しい RDL を先に作ってからダイを載せる方式の得は、不良の RDL に良品ダイを載せずに済むことですが、それは組立前に RDL をどれだけ試験できるかで決まります。試験で見つけられない不良には効かず、RDL の歩留まりが上がるほど得は小さくなります。 22 分
- 32 チップレット分割の歩留まり:割るだけの利得はゼロで、利得は選別から来る 大きなチップを n 個に割ると 1 個ずつの歩留まりは上がりますが、n 個そろえて使う限り、全体の歩留まりは元のままです。得はすべて、良品のチップだけを選んで組み合わせられることから来ます。その得の上限と、割るほど増える接続面積を入れた最適な分割数を求めます。 22 分
- 33 光干渉計と TSV:600 MPa ならアーム長の上限は 129 µm 光干渉計は腕の屈折率がわずかに変わるだけで明暗が入れ替わるので、そばに置く TSV の応力が腕の長さの上限を決めます。応力と温度の予算を同じ単位にそろえると、報告されているキープアウト領域の 4 倍の縮小がこの計算と一致します。 22 分
- 34 RDL の反り:力は銅と誘電体の CTE 差に比例する 銅と誘電体を重ねた RDL の面内の熱膨張は、硬い銅にほぼ引きずられます。ところが反りを生む力は 2 つの材料の熱膨張の差に比例するので、柔らかい誘電体の熱膨張を半分にするだけで、力は 3 分の 1 以下に下がります。 24 分
- 35 ファンアウトの面積:スクライブ 50 µm はボール 1 周分の 16 分の 1 はんだボールをもう 1 周並べるには、パッケージの辺をボール 2 ピッチ分広げる必要があります。ウェーハのスクライブ街区を全部使ってもその 16 分の 1 にしかならないので、端子を増やすにはダイを並べ直した再構成ウェーハが要ります。 24 分
- 36 パネルの寸法バイアス:2 枚の差はパネル内ばらつきの 8.1 倍 同じ条件で作った 2 枚のパネルで、線幅の仕上がりのずれがパネル内のばらつきの 8 倍も違いました。1 枚の中で測定点を増やしてもこの差は見えてこないので、ずれはパネルごとの定数として扱います。SEM で測る線幅と電気的な線幅が別の量であることにも触れます。 28 分
- 37 チップの位置ずれ:補正できない ±4 µm を補正できる 108 µm と交換する チップをフィルムでキャリアに貼る方式では、樹脂による不規則な位置ずれがなくなる代わりに、キャリアの熱収縮で 100 µm 級の大きなずれが出ます。このずれは中心からの距離に比例するので描画の側で補正でき、温度と材料を管理すれば残りは数 µm に収まります。 30 分
- 38 インターポーザの取り数:詰め直すと 50 mm 角は 21 個、幾何の損は 3% 公開されているインターポーザの取り数表は、大きいサイズほど利用率が高いという矛盾を含んでいます。円の中に四角を詰め直すと 50 mm 角は表の 12 個より多く入り、取り数の損のほとんどは形ではなく欠陥から来ていることが分かります。 29 分
- 39 光電共封止のピッチ:4 µm のパッドはブリッジの配線能力の 156 倍 光電共封止の構成を並べると、性能の順位とコストの順位が完全に一致し、最も微細なピッチがどちらでも有利に見えます。ところがブリッジの配線が渡せる本数には限りがあり、その本数と釣り合うピッチは 50 µm です。 28 分
- 40 導電ペースト接合の許容ずれ:ビアの 100 µm より隣のパッドの 25 µm が効く はんだの代わりに導電ペーストで層をつなぐと、はんだの自己整合がなくなる代わりにパッドを大きくできます。ただし位置ずれの上限を決めるのはビアの着地ではなく、それより 4 倍きつい隣のパッドとの隙間のほうです。 27 分
- 41 1 種類の樹脂で 3 役を兼ねる実装:平坦化の比 t/h は揃わない 封止、層間絶縁、最外層の 3 役を 1 種類の樹脂で兼ねると、界面が 2 本減り、工程も 1 つにまとまります。ただし 3 役の要求が一致していたわけではなく、いちばん厳しい役で選んだ材料が残りの役でも足りた、と読むのが正確です。 26 分
- 42 ワイブル寿命の推定精度:10% 寿命の不確かさは特性寿命の 2.2 倍 機械学習で接合寿命を予測した報告は、実測との比較を 63.2% が壊れる特性寿命で行っています。ところが設計で保証するのは 10% が壊れる寿命のほうで、こちらは同じ標本数でも推定がずっと不確かになり、同じ精度には 5 倍近い本数が要ります。 28 分